Safer Internet Day 2018 開催報告

 

Safer Internet Day 2018 シンポジウム

~インターネット上の諸課題と解決策の共有に向けて  ~

 


 

 

 

 2018年2月6日は、インターネットの安全な利用環境の実現に向けて、世界中のステークホルダーによって啓発活動が行われる「Safer Internet Day(セーファーインターネットデー、以下SID)」でした。

この日は日本でも、Safer Internet Day 2018 にちなんだシンポジウムが開催されましたので、その様子をご報告します。

 

開催詳細

日時:2018年2月6日 午後1時~午後4時30分
場所:ユニセフハウス
主催:Safer Internet Day 2018 事務局

(ECPAT/ストップ子ども買春の会、公益財団法人日本ユニセフ協会(以下、日本ユニセフ協会)、

さくらインターネット株式会社(以下、さくらインターネット)、ヤフー株式会社(以下、ヤフー)、

一般社団法人セーファーインターネット協会(以下、SIA))

プログラム:プログラムの詳細はこちらから御覧ください

 

開催報告

 開会にあたり、日本ユニセフ協会 早水専務理事が、国際的な取り組みであるSIDの意義や活動の様子とともに、前回2017年のSIDから日本の関係者が進めてきた取り組みを紹介しました。また、翌週2月14日、15日にスウェーデンで開催されるEnd Violence Solutions Summitに、日本ユニセフ協会やヤフー等の日本の関係者も参加予定であり、官民連携の重要性がいっそう高まっていることが強調されました。

続いて、来賓挨拶として総務省 鈴木総務審議官が登壇し、「児童ポルノ・リベンジポルノ拡散防止をはじめとしたインターネット上の違法・有害情報への対策には、関係者の連携と事業者の迅速な自主的対応が重要である」と述べ、事業者、NGOや支援機関、行政機関等の連携を深めていくことへの期待が示されました。

 

 

<左から日本ユニセフ協会 早水専務理事、総務省 鈴木総務審議官>

 

<第一部> ソリューション・レポート① ~相談機関×事業者の連携事例の紹介~

 昨年開催されたSafer Internet Day 2017では、児童ポルノやリベンジポルノなどの流通に苦しむ人々を支援すべく、相談機関と事業者間の連携を強化していくことを、関係者間で確認しました。本シンポジウムの第一部では、SID2017以降の相談機関と事業者間の連携について、具体的にどのような進展があったか、連携に当たった各機関の担当者が事例を紹介しました。

 

 まず、ECPAT/ストップ子ども買春の会 宮本共同代表が登壇し、被害者を実効的に救済していくためにも、相談機関や事業者が実務上の連携強化をさらに進めていくことが必要であると訴えました。日本ユニセフ協会 中井広報室長は、SID2017以降、日本の事業者と支援機関が進めてきた実務者同士の連携は、国際的にも参考になる取り組みであり、End Violence Solutions Summitなどの場も活用しながら国内外へアピールしていきたいと述べました。

 

 相談機関と事業者の連携事例として、SIA 吉川 違法・有害情報対策部長が、法務省の人権擁護機関とSIAの連携、NPO法人人身取引被害者サポートセンター ライトハウス(以下、 ライトハウス)とSIAの連携という2つの事例について報告しました。

 

      

  <左から、ECPAT/ストップ子ども買春の会 宮本共同代表、SIA 吉川 違法・有害情報対策部長、さくらインターネット 眞崎 マネージャー>

 

  法務省からは 、名執人権擁護局長と栢分局付が登壇し、人権擁護機関によるリベンジポルノ対策を例に人権擁護機関における相談対応について紹介を行いました。名執局長は「自身で声をあげることのできない女性や子どもたちへのケアが重要」としつつ、壇上での議論を通じて、国の対応と、民間の事業者やNPOの対応とが適切な役割分担のもとに緊密に連携することで、より迅速で効果の高い対応を実現していくことの重要性を確認しました。

 

 <左から法務省 名執 人権擁護局長、栢分 局付>

 

 続いて、ライトハウス 藤原代表と坂本事務局長からライトハウスの設立経緯や取り組みの内容を紹介した後、AV出演強要問題に関するSIAとの連携について紹介がありました。「SIAにURL情報などを通報することができるのは一部の相談者のみで、自身の状況を説明するのも困難な相談者が多い」「ライトハウスが被害者の状況把握を行った上でSIAに連絡するなど、連携していきたい」として、両団体が連携することで「心のケア」と「情報の削除」の両輪による迅速な支援が可能になったことや、継続的な連携の重要性について説明しました。

 

<左からライトハウス 藤原 代表、坂本 事務局長>

 

 

 事業者間の横断的な連携の事例については、さくらインターネット株式会社 眞崎 マネージャーから「インターネット上での権利侵害・不正利用等に関する業界横断の連携」として発表がありました。利用者からのさまざまな申告にどのように対応し、利用者の安全を確保していくかを、事業者間で情報共有しながら検討し、円滑な対応につなげる取り組みである「Abuse 対策Night」について報告しました。

 

<第二部> ソリューション・レポート② ~事業者による主体的な取り組み事例の紹介~

 第二部の冒頭ではEnd Violence Solutions Summitの開催国であるスウェーデンの在京大使館Sven Östberg(スベン・オストベリ)参事官より挨拶があり、同サミットの開催趣旨や子どもに対する暴力・性的搾取についての国際的な取り組みについて説明がありました。

 

 

<左からスウェーデン在京大使館 Sven Östberg参事官、外務省 杉浦人権人道課長>

 

 外務省総合外交政策局人権人道課 杉浦課長からは、「オンラインの世界に国境はない。発展途上国だけではなく、先進国でも子どもに対する暴力は存在している」と語り、同サミットをはじめ、子どもに対する暴力・性的搾取の国際的な取り組みに積極的に協力していきたいと説明がありました。

 

 事業者の取り組み紹介として、まず、ヤフー 佐川 マネージャーが登壇し、未就学児の情報機器利用の実態や保護者の関心事について解説を行いました。グーグル合同会社 前田 公共政策カウンセルからは、子どもがインターネットを安全に利用するのためのツールや教材の提供などの取り組みについて紹介があり、株式会社メルカリ 齋藤 リーダーからは、青少年保護や児童ポルノ流通撲滅に関する自社の取り組みや、警察や国民生活センターとの協力・連携事例について紹介がありました。Twitter Japan株式会社 服部 公共政策本部長からは、対策を強化している児童の性的搾取、自殺・自傷行為の防止のための取り組みについて紹介があり、Airbnb Japan株式会社 山本 公共政策部長からは、民泊や体験型イベントなどのマッチングサービスにおける安全の実現に向けた取り組みについて紹介がありました。

 

 

 

 

 

 

<ヤフー 佐川 マネージャー(左上)、グーグル 前田 公共政策カウンセル(右上) Twitter Japan 服部 公共政策本部長(左中)、
メルカリ 齋藤 リーダー(右中) Airbnb Japan 山本 公共政策部長(左下)、さくらインターネット 高橋 執行役員(右下)>

 

 各事業者の取り組みの紹介を受け、内閣府、警察庁、総務省、経済産業省からは「インターネットの利便性と安全性を両立するためには、関係者間の信頼関係を醸成し、継続した連携の取り組みが重要」などの意見がありました。

 

    

  <左から内閣府 山本参事官補佐、警察庁 天野調査官、総務省 大村課長、経済産業省 岡北課長補佐>

  

 第二部の最後には、さくらインターネット 高橋 執行役員が各事業者による取り組みの紹介を振り返るとともに、「関係団体・事業者間での知識の共有や、次世代育成の取り組みが重要」と語り、第二部を締めくくりました。

 

<第三部> IT業界のパパママたちによるネット×子育て座談会

 第三部では、IT業界で活躍するパパママ5名が登壇し、子育てにおけるインターネットとの付き合い方についての座談会を行いました。

 

 

  

 

<左上からモデレーターのクロサカ タツヤ 氏、飯村 シニアスペシャリスト、別所 執行役員、左下から五十嵐 専任講師、江口 公共政策室長、>

 

 はじめに、各登壇者が家族構成と現在のお子さんのインターネット利用状況を紹介した後、「子どもにネットをどれくらい自由に使わせている?」、「子どもにデジタル機器を持たせた『年齢』と、最初に持たせた『機器』は?」「これは困った・・・!“わが家のネットトラブル事例”」など家庭での取り組みについて紹介がありました。

 

 ITに詳しいパパママでも子どものインターネット利用については悩むことも多く、試行錯誤しながら子育てをしている現状について語りました。座談会の詳細はこちらをご覧ください。

 

 

 本シンポジウムの最後には、座談会にも登壇したヤフー 別所執行役員が閉会挨拶に立ち、「行政、NGOやNPO、事業者それぞれがインターネットの安全利用に向けた活動に熱心に取り組んでいる。この場が連携を深める出発点となるよう、今後もさまざまな協力関係を推進していきたい」と語りました。また、「国際会議の場では、インターネットの安心・安全について盛んに議論されているものの、どのように解決していけばよいかは模索段階にあるという印象をもっている。本日発表があった皆さんの取り組みをはじめ、日本の取り組みを先進的な取り組みとして海外に広く紹介していくことで、グローバルに広げていきたい」と、今後に向けての意気込みを語り、シンポジウムは幕を閉じました。

 

 閉会後も多くの参加者が会場に残り、個別に挨拶や意見交換を続けるなど交流を深め合いました。今後も、児童ポルノやリベンジポルノなどのインターネット上の違法・有害情報対策をはじめ、インターネット上の諸課題への対策を業界横断の取り組みによって進めていけるよう、連携を深めていきます。

 

 

トップに戻る

 

日時

2018年2月6日 午後1時~午後4時30分

 

場所

ユニセフハウス

 

主催

Safer Internet Day 2018 事務局

(ECPAT/ストップ子ども買春の会、公益財団法人 日本ユニセフ協会、さくらインターネット株式会社、ヤフー株式会社、一般社団法人セーファーインターネット協会)

 

参加者

インターネットの安全な利用環境の実現等に取り組む事業者、相談機関、省庁関係者

 

プログラム

主催者挨拶(公益財団法人日本ユニセフ協会 早水 研 専務理事)
来賓挨拶(総務省 鈴木 茂樹 総務審議官)

 

<第一部> ソリューション・レポート① ~相談機関×事業者の連携事例の紹介~
○趣旨説明(ECPAT/ストップ子ども買春の会 宮本潤子 共同代表)
○SID2017以降の連携の紹介(日本ユニセフ協会 中井裕真 広報室長)
○相談機関と事業者の連携事例の紹介
(法務省、NPO法人人身取引被害者サポートセンター ライトハウス、SIA)
・削除依頼についてのノウハウ共有
・相談機関・支援機関と、削除依頼団体による連携
○インターネット上での権利侵害・不正利用等に関する業界横断の連携について
(さくらインターネット株式会社 眞崎さゆり マネージャー)

 

<第二部> ソリューション・レポート② ~事業者による主体的な取り組み事例の紹介~
○ソリューションサミットにむけて(外務省総合外交政策局人権人道課 杉浦正俊 課長)
① ネット利用の低年齢化とメディアの利用習慣について(ヤフー株式会社 佐川英美 マネージャー)
② インターネットの安心安全を守るために(グーグル合同会社 前田恵美 公共政策カウンセル)
③ メルカリの安全安心への取り組みについて(株式会社メルカリ 齋藤良和 リーダー)
④ Twitterの安全面に関する取り組み(Twitter Japan株式会社 服部聡 公共政策本部長)
⑤ Airbnbの信頼への取組みについて(Airbnb Japan株式会社 山本美香 公共政策部長)

○関係省庁よりコメント(内閣府、警察庁、総務省、経済産業省)
○ラウンドテーブル総括(さくらインターネット株式会社 高橋隆行 執行役員)

 

<第三部> IT業界のパパママたちによるネット×子育て座談会
モデレーター:クロサカタツヤ 株式会社 企(くわだて)代表取締役
<登壇者>
明治大学 総合数理学部先端メディアサイエンス学科 五十嵐悠紀 専任講師
LINE株式会社 江口清貴 公共政策室長
ヤフー株式会社 別所直哉 執行役員
ヤフー株式会社 飯村由香理 シニアスペシャリスト(総務省から出向中)

 

閉会挨拶(ヤフー株式会社 別所直哉 執行役員)

 

トップに戻る

Safer Internet Day | Safer Internet Day 2017 | 児童ポルノ・リベンジポルノ被害対策のための実務者連携会議

 

▲ページTOP