はじめに
インターネット利用者が、インターネットの安全利用について学ぶ機会は、青少年インターネット環境整備法の成立以降、急速に増えました。青少年に直接働きかける安全教室、青少年を支える保護者や教職員を対象にした研修会などが、官民さまざまな主体によって開催されています。教育啓発の範囲は青少年関連の問題に限らず、インターネット上での消費活動全般に関する学習の機会や相談窓口も増えてきています。
さらに2021年度には、政府主導のGIGAスクール構想に基づき、全国の小中学校に在籍する児童・生徒に対し、一人一台のコンピュータが配布されました。また、高等学校での整備も併せて進められています。これは、インターネット利用教育について、従来学校が置かれてきた立場を大きく変える出来事です。利用リスクの認知と回避だけを説くのではなく、活用のための具体的な知識や技能の習得が、学校教育の一環として期待されていると見ることができます。
その一方で、そうした学習を支える側に対する支援は、必ずしも十分なものとは言えませんでした。教育啓発を企画、推進する担当者には、日進月歩のインターネットサービスや機器、利用者の行動、受講者の特性、効果的な講座運営方法などを正しく理解し、その知識を更新し続けることが期待されていますが、多忙な活動の合間にバランス良く学び続けることは容易ではありません。
また、学校や地方自治体など、外部講師を招聘して研修会を企画する側にとっても、講師候補者の知識水準を判断する客観的な目安はありませんでした。
そこで一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)では、ネットセーフティ教育啓発に関わる方を対象とした支援の仕組みとして、「ネットセーフティ教育プログラムを」2016年にスタートしました。
本プログラムは、専門家会議「子どもたちのインターネット利用について考える研究会(座長:坂元章お茶の水女子大教授)」の研究成果を活用し、実効性の高い教育啓発を企画・推進するための知識や技能を持つ指導者を、広く全国各地に増やすことに取り組んでいます。
当初は特定の地方自治体との協働による、指導者養成事業に限られていました、現在は、基本的な知識を備えたことを認定するネットセーフティ・アドバイザーの養成に加え、研修講師としての知識・技能を持つネットセーフティ・インストラクターの公募型認定を行なっています。
より良いインターネット社会を実現するためには、インターネットの安全な活用についての相談に乗れる人、学習を支援できる人が、学校、家庭、地域、職場を問わず、誰の身近にも必要です。あなたもぜひ本プログラムにご参加ください。
資格とコース概要
ネットセーフティ認定プログラムでは、現在、以下の認定資格およびコースをご用意しております。
認定資格 | 主な対象 | コース形式 | コース名 |
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SIA認定 ネットセーフティ・アドバイザー |
ネットセーフティの基本的な知識の習得や確認に取り組みたい方 | オンライン講座 (法人等による団体受験向けコース) |
オンラインコースA |
SIA認定 ネットセーフティ・アドバイザー |
講師を目指すなど、ネットセーフティの知識の習得や活用により深く取り組みたい方 | オンライン講座 (コースAの内容に加えて、動画教材視聴やQ&Aセッションへの参加が可能) |
オンラインコースB |
SIA認定 ネットセーフティ・インストラクター |
すでに講師としてご活躍中の方 | 提出書類等による審査 (事前にアドバイザー認定資格を取得いただく必要があります) |
認定コース |
SIA認定 ネットセーフティ・インストラクター |
これから講師としての活動を予定されている方 | 集合形式またはオンライン講座 (団体開催のみ) |
養成コース |
SIA認定 ネットセーフティ・スペシャリスト |
ネットセーフティ推進に顕著な功績・貢献の実績をお持ちの方 | 協働や貢献実績に応じてSIA事務局よりご連絡 (団体開催のみ) |
※養成・認定コースの設定はありません。 |